飛行中竜巻に巻き込まれないために、FSCとコンタクトして飛行しよう、それが竜巻を含め天候急変を知る有効な手段の一つである。
2016年7月21日午後7時頃 沖縄那覇空港周辺に竜巻*1が発生した。
午後7時20分気象台から竜巻注意情報が発せられた。
正確な発生位置は含まれていない。 METARには大凡の位置が記載されていたと思います。
アメリカ大陸で発生する竜巻には、雷光を伴う事をTVで見たことがあり、当該時刻における雷ナウキャスト、レーダー降雨、雲頂状態の検証をしたので、参考にして頂きたい。
2016/7/21 19:00 雷ナウキャスト 当該時刻本島周辺には雷現象の検出はない
尚1830-1850の間那覇の東海上10-30milに雷現象が観測されていた。
2016/7/21 19:10 レーダー降雨(全国合成レーダー)
那覇の東海上 久高島東に僅かな赤色の強雨域が確認できる
2016/7/21 19:10 雲頂高度
久高島数マイル東海上の狭小エリアにトップ6000ft-12000ftの雲が観測できる
今回の竜巻規模では、上図情報からはっきりとした発生の判断が出来る検出は出来ていないと考えます。
目視による発見以外の有効な手段は、今のところないのでしょうか。
対馬東方海上竜巻
2015年8月31日から9月1日、対馬東方海上で発生した夜間の竜巻により漁船6隻が相次いで転覆遭難したときの、気象状況を以下に掲載したので、一読頂きたい。
災害発生場所 十字の位置と言われている * 右下沖島は検証地図上右下の小島です。
2015/9/1 天気図 (気象庁資料)
正確な事故発生時刻は見つけられなかったため、資料は何れも 2015/9/1 0400 を選んだ。
4時時点の観測が、数時間前後の中で最も多くの発雷を検出している、その他の時刻の検出はゼロか在っても僅かである。
雷ナウキャスト
レーダー降雨
雲頂高度 グレー高度3000ft ピンク高度 36000ft その他の色は中間高度色
この実例も、竜巻を決め手とする内容は掴めない様です。
結 論
夜間の飛行、IFRによる雲中飛行など、目視確認できない状況下においては、発見できない事を心しなければならない。
竜巻は雲の中に発生しないと仮定出来るなら、発生地地域住民による発見の報により、発生数十分以内には上空でも無線で知ることが出来るだろう。
今回の沖縄の場合、AOPA-J沖縄地区会員、小野寺氏が誘導路W4で待機中の19:00に発見、直ぐにPIREPした後19:20に気象台から竜巻注意情報が発出されている、小野寺氏のPIREPが価値ある役目を果たしたと言えます。
施工規則報告に関する参考記載
航空法施行規則 第
百六十六条の2 異常事態の報告 二、気流の擾乱その他の異常な気象状態
飛行中可能な限り、管制・通信機関へコンタクトして飛行する事が、気象急変を知る手段として最も効果的である。
FSC、TWR、RADIO、TCA 等にコンタクトする事により、気象急変の報告を貰えることがあるので、飛行中は管制・通信機関と結び付けた飛行をすることを、心がけたいものである。
飛行中、悪天等飛行に影響する事態に遭遇した時、事態をFSCへ伝えると積極的優先的に支援をしてもらえます。
尚、普段自らの飛行状況、気象状況の報告をすることも、積極的に行いたいものである。
周辺を飛行している飛行機への有効な情報になる。
因みに、フライトプランに飛行中コンタクトを予定する管制・通信機関を記入すると、その機関は呼び出しに待機する。 様々な援助を受けるのに連絡無しに比べ短時間で意志の疎通ができるので、積極的に記入しましょう。
以上
着陸時タイヤバーストの発生要因をスラット考えてみたい。
タイヤとホイールにはスリップマークが描かれていることは、皆承知しているところです。
このスリップマークがホイールに対して角度にずれを生じた場合、運が良かったと思いたい。
ブレーキングアクションに問題があったのか、それとも着陸速度が速すぎたのか、この2つは大きな発生理由である。 そこにはタイヤ圧の関係も含んでいるが・・・ここでは正常値と考えることにする。
さらに他の理由か゛あるとしても、ずれた事により、このタイヤはバーストしないで済んだのだろう。
ではなぜブレーキングアクションとタッチダウン速度の速さがバーストの原因の大きな理由になるのか。
タッチダウン直後のブレーキ操作は、機体の揚力が無くなり、タイヤへ機体重量が掛かった後にブレーキをかけるべきである。
未だ揚力が残り、タイヤへ機体重量の全てが掛かっていないとき、つまりタイヤの接地圧が小さい状態で強いブレーキをかけると車輪は往々にしてロックしてしまい、バーストを生じる事がある。
ではどうして機体に揚力が残りタイヤ接地圧が小さくなる状況が接地後も続いてしまうのか、その大きな理由として、接地速度が早過ぎることが言える。
速度が早いためすぐに揚力低下とならず、当然タイヤ接地圧が高まらず、この状態では往々にしてブレーキング強弱に関わらず、車輪はロック、そしてバーストとなることがある。
― 対策 ―
1.接地時の速度が飛行規程値より 10kt 多いだけでも、ロック現象発生の可能性は高まる。
つまり、接地速度の厳守は重要事項なのである。
2.接地後速やかに揚力を減衰させ、タイヤへ機体重量を載せてから、ブレーキをかける。
因みにこのような現象の発生は、C172の軽いクラスに於いてはタイヤと地面はスリップする程度で済むのであまり真剣に考えなくてもよいと考える。
310馬力クラスの機体では、車輪ロック現象の発生によるバーストの発生は高い確率であると考えるべきである。
― 参考として、実際にパンクした場合次のような状況になる。 ―
@.パンクした瞬間からブレーキはほとんど効かない。
運よく両輪がパンクになれば、直進できるが、片側だけのバンクになった場合、ブレーキをかけずとも直進するのは相当大変、機体に従う、もしくは正常側のブレーキを強く効かしてみる、バースト側に勝てるか効果の程は機体によりまちまちである。
A.パンクした車輪にいくらブレーキをかけても、その効果はほとんど無いことを知っておくこと。
また短い滑走路では、オーバーランになることは避けられないことを承知する事。
― 以上 ―
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